旅の六十九:「折り紙建築/和見分校」
今年の締めくくりに、この12月6日に山梨県唯一の分校、上野原市立甲東
小学校和見分校で行われた分校秋祭りで、折り紙建築の指導をした山梨県
建築士会青年部の活動を紹介します。
甲東小学校和見分校は上野原市和見という山深い所にあり、現在は1年生から4年生の児童6名が学んでいます。5年生から本校の甲東小学校に通い
ます。そんな山間の小さな学校ですが、毎年、この時期に秋祭りと題し、
学習発表と地域交流のイベントを行っているそうです。
前日から建築士会の仲間の家で、準備と言うか「打合せ」で宿泊していた
私達が、朝の散歩がてら7時半頃分校を訪れると、もう既に児童も先生も
登校していて、今日の発表と思われる楽器の練習をしていました。
すごい!家の子はその頃家を出るのに!そして、いよいよ秋祭りの本番。
まず、各クラスで授業参観を行い、その後、講堂と言うか、大広間で児童
全員の合唱や演劇、そして、マジックショーなどが行われました。日ごろ練習
して来た成果を、家族の皆さんが見守る中で披露し、大きな拍手や歓声が
湧いた、なごやかな発表会でした。昼食に私達も加わらせていただいて、
午後からいよいよ私達の出番です。
折り紙建築ってご存知ですか?実線や点線などが印刷されている厚紙に
カッターなどで切れ目を入れて折り、建築などの造形を立体的に表現するものです。私達、山梨県建築士会青年部では住宅フェアーや商工祭、ワーク
ショップなどで、子供たちを中心に折り紙建築を指導し、建築士会のPRを
行っています。
分校秋祭りでは、児童とご家族、先生、それに本校や中学校に通ってる
分校の先輩など30名あまりの方々が参加し、5つのテーブルにそれぞれ
6~7名ずつ座り、我々が1~2名付いて作業の補助をしました。クリスマスが近いので教会などを印刷してある厚紙をあらかじめ用意して、それぞれに
配布し、簡単な作業の説明を行っていよいよ作業開始。建物の実線には、
定規をあててカッターで切れ目を入れ、点線はそれぞれ山折り、谷折りして
立体的に折っていきます。最初は単純なやさしいものから始めましたが、
子供たちは簡単な物を完成させてしまうと、要領が解ったのでしょう、
二つ目からは複雑な物に挑戦し、1時間半の間に3つも4つも作ってしまう子もいました。そして、作り終えた後、作品発表。自慢げに3つの作品を持って、
「この3つを作りました」と胸を張る子や、自信作を堂々と発表したり、控え目に発表する子など様々でした。そして秋祭りの最後に、私たちも参加して、
参加者全員で「翼をください」を合唱して閉会となりました。
ホントに小さな学校ですが、子供ひとりひとりに個性があり、それが素直に
表現できていて、先生と子供、親、そして地域との交流、それら全てがうまく
まとまっていて調和のとれた、これが本来の、と言うか昔ながらの学校なんだろうな、本当にいい学校で素晴らしいなと思いました。
折り紙建築を通して、このような素直な子供たちとふれあうことができうれしいです、子供たちも建築に興味を持っていただけたらいいなと思います。
年末の不況風が吹きまくる中、ホッとする一日でした。
来年もいろんな活動や仕事を頑張って行きたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
みなさま、よいお年をお迎えください。