一級建築士・文化庁文化財技術者
中村 春彦
「日本の伝統建築が包含する、人や風土、そして時のたたずまい。すべての建築に、そんなものを生かしていけたら、と思っています」
一級建築士
一級建築施工監理技士
建築設備士
文化庁文化財技術者研修修了
1959年 2月 / 山梨県北都留郡上野原町・生
1979年 3月 / 中央工学校卒
1979年 4月 / (財)文化財建造物保存技術協会
重要文化財 大塩八幡宮拝殿修復工事(福井県)
重要文化財 幸橋修復工事(石造アーチ橋/長崎県)
1983年 6月 / 杉本建築設計事務所
1984年 4月 / 甲斐建築設計事務所
1986年 4月 / 不二設計
1990年 1月 / (有)住総建設
1991年 8月 / 中村建築文化研究所 開設
2004年 4月 / 関東甲信越建築士会ブロック会賞 受賞
現代ほど、家族や家庭の重要さが再認識されている時はないでしょう。だからこそ住まいには、便利さだけでなく、落ち着きや安らぎが求められています。
住む人をしっかりと守る力。住む人に日々癒しを与える優しさ、美しさ。そうした家は、やはり、住む人自身の声がていねいにいかされた、そして建てる大工さんの誇りがすみずみまで込められた家でこそ実現できると思います。
規格大量生産された家ではなく、息づかいと手づくりの香りにあふれる家。私は、そんな住まいを多くの施主の方々とともに作っていきたいと考えています。
溝口邸外観(1986)
山あいの傾斜地に建つ平家建住宅。私の初の作品です。
「日本建築」と言うと、木と紙と土でできた家、または和風デザインの住居を想像される方が多いかと思います。しかし私が大切にしているのは、そうした物理的な事柄ではなく、そこに生きる人の住まいや、季節、風土との融合をとりこんだ、日本建築の「思想」のようなものです。
たとえば神社やお寺は本来、人の住まいではないのに、やはり生きている者の存在を感じさせます。もちろんそれは、目に見えない神様や仏様を、実際にそこにいるかのように感じさせようと努力した、昔の宮大工さんの技の冴えの結果でもあるでしょう。
でも私は、彼らが、神仏がほんとうにそこに「住む」ことをとことん意識して、建築を手がけた証拠でもあると思っています。日本の伝統家屋なら、なおさらです。生活導線の取り方から季節や気候への配慮、村落の人々とのコミュニケーションまで考え尽くされたその設計、仕様、建材。こうした、日本の伝統建築が包含する、人や風土、そして時のたたずまいまで、しっかりと見つめた思想を、現代の建築に生かしていけたら、と私は思っています。
三仏寺・投入堂
修験道の祖・役小角
(えんのおずの)が法力を持って投入れたと伝えられる。平安時代の建築。私の好きな建物のひとつです。
工務店やメーカーにではなく、建築士や設計事務所に設計を独自に依頼する。このことを「敷居が高く感じる」方々が日本に多いのは、事実です。
理由はいくつか考えられます。ひとつは「面倒くさそうだ」という先入観。あるいは、建築士のプランを押し付けられて、イメージと違う家になるかも、という杞憂。そして多いのが「高くつくのでは?」というコストへの不安。正直に言って、こうしたことのすべてが誤解だとは言えないのは残念です。建てたい家への、ご自身のはっきりしたイメージがまだないうちは、打ちあわせが面倒なこともあるでしょうし、建築士のプランに流されそうになったりもするでしょう。知名度の高い建築家は、それなりに設計料も高いかも知れません。
しかし、私の仕事について言えば、先のことはすべて誤解です。
私は自分の役割を 「建築主の代理人=イコールパートナー」 と定義しています。施主の方の望むプランやイメージを、建築コストとのバランスをトータルに見ながら、現実的に話し合い、提案し合って、図面に落としていきます。そして工事監理まで請け負わせて頂き、施工においてはメーカーや工務店側ではなく施主側の人間として、現場に何度でも足を運び、業者の仕事をチェックします。
妥協はしません。設計料もトータルコストから算出し、最初にお見積もりを提示しますから、ご安心いただいて結構です。工務店は、ご希望があれば尊重しますし、ない場合は優良な業者をご紹介いたします。
私がお勧めする「建築士の賢い使い方」とは、とことん話し合うことのできる、そして設計だけでなく、ほんとうに施工監理まで厳しく行う建築士を選び、あなたのパートナーにすることに尽きます。そんな人が近くに見つからない場合は?はい、私にご相談ください(笑)。
ジャキーハウス
「ウエスタン調のステーキハウスをローコストで」というオーナー様の希望に応え、設計監理した、初めて手掛けた店舗です。