「保福寺本堂 軸組2」
連休明けにお見えになった、ミャンマーの高僧バッタンダ エインダパーラ サヤドー猊下は、保福寺の後、本山の永平寺を登拝してから仙台に行き、無事、東日本大震災60日法要を行い、京都や米子などを訪ねられてから、ミャンマーにお戻りになられたようです。
ところで、その後の本堂新築工事の進捗状況は、大間に厚さ24mmもの厚板のチークを張る鏡天井(かがみてんじょう:格縁や棹縁、または目透かしなどの凹凸のない、鏡のように平面に板を張って仕上げた天井形式で禅宗様建築の特徴でもあり、よく龍の絵が描かれています)も完了し、天井は全て塞がれました。軸組は耐震耐力壁の構造用合板が震災の影響で入手出来ず、遅れていましたが、構造用合板をダイライトに変えて耐力面材張りを行っています。
外部の壁は、耐力面材の上にさらに木摺漆喰壁の下地の木摺りの加工組立を行っています。木摺漆喰壁とは幅30mm厚さ5mmの杉板を5mm程度の間隔を空けて張り、その上に漆喰の下塗りを行ってから、十分乾かしたうえで中塗り・上塗りと行う工法です。漆喰の下塗りの際に5mm程度空けた木摺りの隙間から漆喰がはみ出すことによって漆喰が落ちにくくなり、剥落が防げるという特徴があります。明治時代の擬洋風建築の壁や蛇腹などによく使われています。ちなみに、現代の外壁に用いられる漆喰塗り壁は、ほとんどがラス板という幅90mm厚さ9mmの板を9mm程度の間隔を開けて張り、その上にアスファルトフェルトを敷き、メタルラスを打ち付けて、モルタルを塗ってから、仕上げの漆喰を塗る方法で行われています。
内部では、造作工事が行われ、開山堂の位牌棚や壇の天板の加工組立などが進められ、木工事も大詰めとなっています。今後は、木摺り下地が終わりしだい、外部の左官工事の漆喰塗りが進められます。漆喰塗りが終わると、いよいよ足場の解体です。本堂の雄姿がお目見えするのもあと少しです。皆様、おたのしみに!