「保福寺本堂 立柱」
昨年の暮れに、保福寺本堂新築工事の進捗状況について報告しましたが、あれから半年、いよいよ軸部の建て方に入りました。それでは前回以降の工事の進捗状況について報告します。
昨年、基礎工事が完了した後も、木工事の加工は引き続き行われていました。その後、現地では亀腹(かめばら:社寺建築で柱の礎石を受けるために土に石灰などを混ぜて突き固めた、現代の基礎にあたる部分で、建物の外部側を饅頭型にし、漆喰塗りで仕上げます)の下地作りや、足場の組立を行ない、建て方を待つばかりとなっていました。また、木工事を行っている工場では、引き続き木材の加工が進められ、向拝の手挟(たばさみ)彫刻の図案の検討なども併せて行いました。そして、建て方に入る前の加工された木材の最終確認を行い、いよいよ材料の搬入です。なんせ、大きな材料ばかりで、まして、比重の大きなチーク材ですから、トレーラーに積める量も限られてしまいます。第一便が到着したところで、工事の安全を祈願し、法要を行ってから、荷降ろしを行いました。何回かに分けて搬入された柱や虹梁材が整ったところで、いよいよ建て方の開始です。25tクレーン車を2台設置し、1台は柱、もう1台は虹梁を吊り、建て込みを行います。既に木材加工終了時に工場内で仮組を行ってはいるものの、実際の現場では、緊張感が走ります。一本目が無事に納まると、一安心。作業をしている大工さん達にとっては、当たり前の事なんでしょうが、寸分の狂いもなく納まる、施工の技術の高さには、感銘を受けました。その後も、順調に建て方は進み、大間(だいま)の組立が終了し、立柱式を行いました。四天柱とも言える2尺の柱などが建ち並ぶ様は、見事です。その眼前の威容に重なって「いろんな紆余曲折を経ながら、なんとかここまで来れたんだな」という思いも湧き上がり、感慨もひとしおでした。これから少しずつ工事は進んでいきます。千載一遇の機会ですから、壇信徒の皆さんはもちろんですが、大勢の方々にぜひ足を運んで見て頂けたらと思います。今後も進捗状況に応じて現場の様子をご紹介したいと思いますので、ご期待ください。