「保福寺本堂 基礎工事完了」
今年も早いもので、もう師走です。仕事の方は、こんな社会情勢ですから、非常に厳しい一年でした。さて、今年の締め括りとして、かねてより紹介している、保福寺本堂新築工事の進捗状況について書きたいと思います。
昨年、地鎮祭・釿始式の模様について報告いたしましたが、その後、本格的に工事が始まり、木工事や造成・基礎工事が進められています。
地鎮祭・釿始式が終わった後、木工事の原寸作図が進められ、細部の仕様など、こと細かに打合せやら、詳細のデザインや文様のやりとりを行い、最終的な原寸図によって、お施主さんの住職さんや檀徒総代さんと原寸検査を行いました。
この時、承認された原寸図を基に、木材を粗取りし、墨付けを行います。墨付けが終わった材から加工に入ります。たとえば、丸柱は四角い材料をまず八角にし、貫穴やホゾなどの仕口を加工してから丸く加工。そして、上部をさらに頂部で細くなる粽加工します。このように一つ一つ緻密な作業を繰り返し、木工事は進められて行きます。
木工事と並行して現地では、地盤調査を行い、造成工事が始められました。元本堂の北側には開山堂が建てられますので、斜面を削り、石積みを行うために、斜面を削っていると、思いがけない穴が発見されました。
穴は元本堂から北側の山に伸びており、水が溜まっていました。穴の幅は60cm、深さは150cm程度で明らかに人工的に掘ったと思われるもので、壁面には菜種油の蜀台を置いたと思われる窪みもありました。恐らく、保福寺創建以前に土着民族が水源確保のために造ったものではないかと考えられます。
このようなアクシデントもあったりしましたが、無事、造成工事も終了しました。地盤調査の結果により、地盤改良工事を行い、いよいよ本体工事の基礎工事です。
まずは、雨落ち側溝を造ります。本堂の屋根には、基本的に雨樋は架けませんので、雨が落ちる位置に側溝を造り、雨排水を水路に流します。次に、本堂が建つ位置の基壇を、耐圧盤のベタ基礎で造ります。柱通りには地中梁を入れ、それらを大量の鉄筋で組み上げ、コンクリートを打ち込みます。この様にして、基礎工事までは完了いたしました。
木工事は、この一年間で、軸部の主だった部分は完了しましたが、これから小屋組の墨付け加工が始まります。来年の4月頃には木工事の加工も終了し、いよいよ現地で建て方に入る予定です。
高級家具などに使うチーク材、しかも、ミャンマー政府の特別のご配慮により、極上のゴールデンチークをふんだんに使ったお寺が、来年はいよいよ上野原に出現します。みなさん、乞うご期待。これからも保福寺本堂新築工事の進捗状況について、逐一御報告いたしますので楽しみにしていただきたいと思います。そして、近くにお越しの折には、是非立ち寄って頂けたら幸いです。
年末で慌ただしいので、風邪などひかないよう気をつけて、良いお年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。