旅の三十六:「古民家の集落/甲州市」
関ブロ後遺症こそ、やっと抜けつつありますが、まだまだ仕事に追われている今日この頃。気分転換にバイクでぶらっと出かけてみました。
甲州市(塩山市、勝沼町、大和町の合併新市。まだあまり馴染めない
名前ですね)塩山駅前に旧高野家住宅(甘草屋敷)があります。
約10年前に旧高野家附属建物調査で伺って以来、久しぶりに
訪れてみました。
旧高野家住宅は、江戸時代中期頃の建築と考えられ、桁行24.8m、
梁間10.9m、屋根は甲州地方独特の突き上げ屋根とした切妻造りの大型
民家です。また、高野家は、江戸時代に薬草の甘草(かんぞう)を栽培して
幕府に納めていたため、古くから甘草屋敷と呼ばれてきました。
附属建物の調査は、重要文化財の指定を受けての復原修理をするための
準備段階の調査でした。その頃はまだ住宅として使われており、お住まいの
皆様にご迷惑をかけて調査をしたことが思い出されます。
今回訪れてみれば、調査当時とは一変し、綺麗に整備された敷地。
附属建物も復原され、調査時には増築で付けられていた店の部分も無くなり、
本来の蔵の姿になっていました。
その姿を改めて眺めながら「やっぱりこうだよな」と、妙に納得する私でした。
甘草屋敷から山あいの大菩薩峠のふもとの雲峰寺に向かいながら、
青梅街道を走っていくと、道路沿いに旧高野家と同じ形式の古民家が
点在しています。中でも上条地区の集落、「結構民家が残っているんだな」と
感心しました。茅葺の上に鉄板を被せた屋根としていますが、
山間部の傾斜地、棚田状に屋根が重なりあった風景はなかなか良いですよ!
まだ伝統的建造物群に指定されていないようですが、残していってほしいなと
思いました。
そして、雲峰寺。雲峰寺は天平17年(745)僧・行基が開創したといわれ、
室町時代には武田家の祈願寺として復興、この頃天台宗から禅宗に
改宗されています。
本堂は桁行五間、梁間五間、入母屋造、向拝一間唐破風造、
桧皮葺で室町時代後期の建立で、禅宗に改宗された際、平面構成の改造や
向拝唐破風が付けられたようです。庫裏も本堂と同時期に建てられた、
桁行19.3m、梁間9.1m、切妻造、茅葺の建物です。
これから暑くなってきます。皆さんも暑気払いで柳沢峠をドライブしたり、
大菩薩峠に登った際、ちょっと足休めに立ち寄ってみてはいかがでしょうか?