建築旅日記
建築旅日記
旅の九十四:「保福寺本堂 軸組1」
御無沙汰いたしました。もう2月の中旬になってしまいましたが、あらためて、新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今回も昨年に引き続いて、保福寺本堂新築工事の進捗状況について書き
たいと思います。
保福寺本堂は、屋根の工事がほぼ完了し、大棟に付く鬼板に巻く銅板の
加工中です。この25日には、大棟に鬼板を載せるための法要を行い、建物が永遠に火災や災害に合わぬよう安全を祈願し、鬼板を設置します。その後、
大棟に寺紋の花菱を模った錺金具を取り付け、避雷針の導体を棟に張り巡らせたら、屋根工事はすべて完了です。そして、妻壁を漆喰で塗り上げれば、
屋根に掛かる足場も撤去できます。もう少しで屋根の全容がお見せできると
思います。
本体の木工事は、耐震耐力壁の下地や、小屋裏の防火界壁の耐火ボード
張り、長押の取付などを行っています。長押も住宅に付けられてるような薄い物ではなく7寸(210mm)角もある大きな材で、住宅の大黒柱みたいな物が取り付けられています。
また、耐震用の接合金物も取り付けているんですが、こんなに大きな柱に
どうなの?無くてもいいんじゃないの?なんて思ってしまいます。しかし、法律で決まっていることなので、きちっと付けるべきものは、付くべき場所に取り付けています。
そんなこんなで、寒い中ですが少しずつ工事は進んでいます。今年は寒さが
非常に厳しく、大工さん達も大変でしょうが、これから造作の目につきやすい
場所の作業が続きますので、入念な作業で、良い建物を後世に伝えていき
ましょう。よろしくお願いいたします。