旅の六十三:「台湾の建築」
4月の28日~30日まで台湾に行って来ました。
以前から紹介している保福寺本堂新築工事のチーク材の検品でした。
チーク材はミャンマー政府のご協力により大量に仕入れたのですが、
実はまだ足りなくて。しかし、現在のミャンマーは皆様もご存じのような
状況です。
そこで、台湾から輸入することになったんです。
台湾の材木業者は台湾北部の宜蘭市(ぎらんし)羅東(らとう)にあり、
桃園空港から高速道路を約2時間位東に走ったと思います。その途中では、
世界一高い建築の台北101(確か現在はドバイの建物に抜かされたはず)を
眺めながらのドライブでした。
1日目はチーク材の検品作業。検品は、海老虹梁(えびこうりょう)と隅木
(すみぎ)が主で、他は垂木などでした。海老虹梁と隅木は幅が80cmもある
大きな材料なので、探すのが大変だったようですが、材質的にも寸法も全て
クリアーして合格でした。こうして、検品も無事終了しました。
2日目は台湾の観光です。宜蘭市から北上し基隆市(きーるんし)金瓜石の黄金博物園に行きました。黄金博物園は日本の大正時代に日本が統治し、
金の産地として、日本人の技術者が住んでいた建物や地下坑道などを
観光用に整備したところです。日本の足尾銅山観光の台湾版といったとこ
でしょうか。博物園内の日本人宿舎や皇太子迎賓館は、まさに大正・昭和
時代の日本家屋そのもので、もう日本でもあまり見られない懐かしい建物
でした。
その後、台北市の馥園(フーユェン)と言う中華レストランに行きました。
ここの建物がまた素晴らしいんです。中国明朝の建築様式で四方閣と
八角楼とそれを繋ぐ芸品楼の3棟で構成されてます。室内も写真で解ります
ように豪華で、八角形の天井は折上げて、実に優雅な気分に浸れます。
当然お食事も物凄く美味しかったことは言うまでもありません。
午後は、国立故宮博物院で中国の素晴らしい芸術的な文化財を拝見
しました。そして、ホテルにチェックインした後、龍山寺を訪ねました。
龍山寺は台湾で最も歴史のある寺院で1738年の創建だそうです。
しかし、戦火などにより現在の建物は1947年に再建されたものです。
中国南方の宮殿式建築で本尊を安置する正殿を囲むように前殿・後殿と
左右の鐘楼・鼓楼で回廊形式に構成されています。柱は石材で、
その上部から屋根を木造で作っていました。石と木の柱をどうやって繋いで
いるのか不思議なんです。良く見ましたが解りませんでした。
そして、壁は煉瓦積。小屋組は木造で、架構する虹梁や組物は色鮮やかな
彩色や金箔が施され、屋根は中国南方の特徴的な強い反りと、棟や隅などを
飾り付けた装飾が特に印象的でした。龍山寺を訪れたのは夜だったん
ですが、参拝者の多いのには驚きました。
その夜は、台北のリージェントホテルに泊まり、翌日、帰路となりました。
台湾観光は一日だけだったですが、日本との関わりの深い台湾を知り、
食べ物は美味しいし、台湾人の人柄も良かったと思います。
また、訪ねてみたいなと思える3日間でした。