2002/11/13 設備機器の設置、内装、家族の参加
外壁の左官や軒裏の塗装工事が始まり、内部は設備機器の設置と我が家の工事もいよいよ佳境となりました。
先日、娘から「うちの壁っていったい何回張るの?」と聞かれました。
うん?そういえば何回も張ったね・・。土壁、ダイライト、付柱付桁、水切り、さらに腰壁には防水シート、杉下見板、簓子(ささらこ)。そして、塗り壁部分はアスファルトフェルト、ラス、モルタルの下塗り、工程が進んだぶんだけでもこれだけあり、この後は、モルタル中塗り、漆喰上塗りを残すだけですが、たしかに工程は多いです。娘が言うのも無理はないと思います。壁に限らず、接合金物など、ほんとは、こんなにまでもしなくても、家は十分持つのにな・・・。
耐震性、気密性、断熱性等をより高いレベルに求めてしまうこともあるでしょう。しかしほんとの理由は行政が法律や条例に職人の技術力を加味しないこと、数々の許認可を「権益」として利用していること、その他のいろんな要素から、このように工程が煩雑になり、それではコスト的に対応できないので家は工場生産化され、施主さんは結局メーカーの既製品的な家を選ばざるを得なくなり、従来の日本の家造りが廃れてゆき・・・・。
いやいや、この辺のことを書きだしちゃうと長くなります。こうした話はまたの機会にゆずるとして、我が家の進行状況のご報告です。木工事が終了しシステムキッチンやユニットバスが設置されると、「自分たちの家ができてきた!」と実感できるのか、娘たちも、色、機能、タイルの柄、等々、いろいろ口を出して「参加」してきます。そんなあれこれを、私も素直に聞き入れたり、なんとかうっちゃったりしながら、我が家にはようやく機器も設置され、タイル柄も決まり、今はタイルの割付を検討中です。あとは家族の希望を少しでも多く叶えるために、納まりやレイアウトを考えながらディテールデザインをつめていく作業。ここらへんは、これから家族みんなが毎日生活していくうえで、いちばん目立つし、気になる部分。決しておろそかにはできません。後日「お父さんはプロの建築家のくせに、私たちの希望をきちんとかなえてくれなかった。プンプン!」と、可愛い娘たちに責められることのないよう、父として、プロとして、プレッシャーを楽しみながら、作業にいそしむ毎日です。