2003/01/31 新生活・冬の章2
新居での生活も早いもので一ヶ月が過ぎました。今年の冬は雪が多く寒い冬ですが、今日のように晴れた日は太陽光発電が発電し、太陽熱温水器が集熱しています。太陽光発電は最大3.0kw/h発電しますが、今は冬なので太陽が低くまだ1~2kwの発電です。それでも発電表示計が動いているのを目の当たりにすると「おお、我が発電所は今日も働いておるな」と感動を覚えます。
さらに、太陽熱温水器が温めたお湯も35~40℃になっており、バスタブに溜めた際にはもうかなり温かく、わずかに沸かす程度でOKと、自然の恵みはすごいです。また、リビングの吹抜けの窓からは陽が燦々と射し込み、ほとんど陽が射さなかった以前の家とは、明るさでも暖かさでも嘘のようです。換気では棟の部分に煙だし窓を付けておりそれを開けることにより自然に換気してくれます。我が家では自然を利用し、省エネに貢献しているなー、と感じています。
前回、土壁はあったかいと言ったのですが、この事についてもう少し詳しく触れたいと思います。
まず断熱性能。土壁の熱伝導率が0.5kcal/mh℃。他の素材は以下の通りです。
ALCコンクリート 0.2 kcal/mh℃
グラスウール・ロックウール 0.03 kcal/mh℃
硬質ウレタンフォーム 0.02 kcal/mh℃
また、透湿係数は
土壁 400 ng/㎡sPa
ALCコンクリート 350 ng/㎡sPa
グラスウール・ロックウール 2500 ng/㎡sPa
硬質ウレタンフォーム 30 ng/㎡sPa
これらのデータから土壁の断熱性能はALCより少し悪く、グラスウールやウレタンフォームからはかなり劣ると言えます。しかし、透湿係数はALCとほぼ同じで、透湿の高いグラスウール、ほとんど無いウレタンフォームと違い、適度な吸湿放散作用があることがわかります。
また、土壁に熱負荷を加える断熱実験では蒸暑期・寒冷期共に内部結露は認められず、土壁の熱容量の影響により室内側の表面温度の変化に遅れが生じました。さらに、有害物質であるアンモニアとホルムアルデヒドの吸着測定では、どちらに対しても高い吸着効果が確認されてます。このような事から我が家の土壁は断熱性能は化学性断熱材より劣っても、熱容量の大きさにより室内表面温度はそれほど下がらず、調湿効果もあり暖かく感じるわけです。結論として「とりあえず冬に関しては、土壁は正解!」。で、これが夏にはどう感じられるか、これからの季節の移り変わりが楽しみな「新生活・冬の章2」なのです。