2006/01/05 我が家の土壁効果、経過報告 その4
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
昨年は、大悲願寺観音堂の修理に始まり、巨大な富岡製糸の大調査、そして初の試みは免震住宅の完成。数々の住宅や工場、店舗の設計。また、私的には大型自動二輪の取得と待望のCB550Fの購入など充実した一年でした。しかし、社会的にはアスベスト問題、恐ろしい耐震偽装事件と、業界の我々にとっては、動乱の一年でもありました。そんなこんなで、今年はプライベートな日記も書こうかなと考えつつ、大悲願寺観音堂の復原も脳裏をよぎる新年であります。
ところで我が家と言えば、今年のお正月も、囲炉裏を囲みながら餅を焼き、服が煙臭くなるから嫌!と言いつつ燃える火を楽しんでる子供達。いつの日かこの囲炉裏の匂いが懐かしく思える日が必ず来ると、我が家の歴史を刻んでる今日この頃です。
さて今回は、昨年の1月より始めた室内外の気温と湿度の経過報告。第4回目、10月から12月と一年間の総集編を書きたいと思います。
測定場所は前回同様バルコニーの屋外とバルコニーに隣接する物置の屋内です。
●まずはグラフの屋外のデータから見てください。
10月の温度は、天候不順により、寒暖の差が激しく、折れ線グラフが上下しています。湿度も気温と同様に激しく乱高下しています。
11月も前半は、10月同様天候不順により、寒暖の差が激しく、折れ線グラフが上下していますが、後半は天気の良い日が続き、グラフも落着いています。湿度も気温と同様に前半は激しい乱高下、後半は落着いていますが、朝と昼の差は大きいです。
12月は前半、周期的に天候が変化し、気温湿度共に乱高下していますが、後半は天候も安定し、温湿度共に比較的落着いています。
●次に屋内のデータです。
10月の温度は、20度前後を推移し、朝昼の温度差も1度前後で、まさに過ごし安い気温です。湿度も、多少、外気の影響を受けているようで、若干上下していますが、それでもほぼ50%台を推移しています。
11月の温度は、10度台を推移していますが、外気の低い日が続くと、やや遅れ気味ながらも、室温も下がっています。湿度は50%前後を推移していますが、気温同様、外気の影響を受け、外湿度の大きい日は、室内湿度も若干上がっています。それでも60%は越えません。
12月の温度は、11月の10度台から徐々に下がりはしましたが、例年に増して寒いこの冬も、一桁後半を維持。湿度も天候の不順な前半は変動があるものの、天候の安定した後半は、50%前後を一定に推移しています。
以上のように、この四半期も屋外は、温度湿度共に、天候に大きく左右され、乱高下していますが、屋内は、外気の影響を多少受けつつも、温湿度ともに一定の水準を維持しています。
さて、こうして一年間土壁効果について検証してきました。その結果、四半期のそれぞれの報告にあるように、春・秋の過ごし易い季節はもとより、猛暑のこの夏も、室内は真夏日となる日は無く、厳冬の今日も4℃未満になることはありません。また、暑さ(体感温度)のバロメーターとも言える湿度も、最大となる真夏でさえ60%以内。人間の快適湿度は45%~60%と言われてますから、過ごしやすいのは当然です。意外だったのが、異常乾燥注意報が連発される冬が50%前後で、温湿度共絶好調と思われる春が最低の40%前半、と言うデータ。昨年の気候の特色によるものでしょうが、理由はともかく、それだけ冬場には「屋内の保湿」と言う点で土壁が効果を発揮することは、はっきりしました。
そんなこんなで、一年間楽しんできた土壁効果。土蔵ほどには、質量・気密などから、とても及びませんが、それでもそれなりに、毎日開け閉めをしたなかで、これだけのデータが得られたということは、まさに土蔵の夏に涼しく、冬に暖かい快適性を、我が家でも実感していることが、おわかりいただけたと思います。
そして、今日も娘から嫌がられても、囲炉裏で火を焚いて、心身共に温もりのある日々が過せたらそれで充分!と、今年の抱負を思う私であります。