旅の五十七:「八重山の四阿」
ご無沙汰でーす!
6月の建築基準法改正以来、確認申請手続きが煩雑になり、仕事量も
倍以上。かといって受注が倍になってる訳では当然ありませんよ!逆に建築基準法不況と言われるほどいろんな面で影響が出てきています。そんな最中、私もご多分にもれず、毎日あれやこれやと振り回され飛び回っています。
しかし、巷は秋の行楽シーズン。家の前の中央道はこの連休中も大渋滞
でした。私はと言えば上野原建設組合の親睦ウォーキングの企画・準備・
運営や、地区のスポーツ大会のあれこれなど、この時期は毎年、目まぐるしい忙しさです。
そんな訳で、今年はいろんな行事で山に登っているのですが、実は仕事でも、毎週ちょっとしたハイキング感覚で山登りをしながら工事監理をしています。
今回は、その工事物件である、山の展望施設のご紹介をしたいと思います。
この展望施設は地元の上野原中学校前を西に入った八重山に造っています。ここは、昭和4年に地元の水越八重さんという方が子供たちのために役立てて欲しいと寄付してくださった山で、そのお名前にちなんで「八重山」と名付けられています。上野原市ではこの山を、環境学習・市民の憩いの場・里山の有効
活用・首都圏からの観光客の受け皿などとするべく、森林レクリエーション
エリア“五感の森” として整備する計画を進めているのですが、過日、
その整備計画を行っているコンサルタント会社から私に、この八重山に合った展望施設(四阿・あずまや)を設計してほしいと依頼がありました。私は、整備のコンセプトと、個人的にも親しみのある八重山にマッチしたデザインを、
と思考を重ねましたが、四阿は、皆さんご存知のように、腰を下ろして風景を眺めながら休憩する所。当然、柱と屋根しかないわけですから、デザインを
工夫するのが大変で、構造的にも苦労しました。
その結果、「五感」、「春の桜ゾーン」、「秋の紅葉ゾーン」などといった
コンセプトに「夏の夜空」を加えて、五、桜、星をマッチングさせたデザイン、
というアイデアが浮かび、「桜の花のように丸みをおびた五角形のデッキ」を
持った「北を示す北極星のように方位が解る」北向き配置の四阿の設計を
行うに至ったわけなのです。
そして、先月からいよいよ工事に着手。写真でおわかりいただけるかと
思いますが、ほんとに山の上での工事なのでそれは大変です。冒頭で書いたように、監理のため一週間に一度位は山登りをするのですが、片道およそ
30分。私にとっては健康のためにいい運動ですが、実際、工事の作業する
方は資材を山に運ばなければならないわけですから一苦労です。そこで尾根から尾根へと索道を造り、谷を飛び越えてケーブルで運ぶ、
いわゆるロープウェイを造って資材を運んでいます。
現在、基礎工事を行っており、年内には軸部を建てる予定です。
しかし、なんせ、寒いんです。作業してる皆さん、安全にはくれぐれも留意して、よろしくお願いします。この工事の経過はまた報告したいと思いますが、
とりあえず、来春には展望施設は完成する予定。皆さんにも春の暖かな頃、
ハイキングで訪ねていただけたら幸いです。