自宅造り日記 −−工事篇−−
自宅造り日記 −−工事篇−−
2002/08/12 土壁工事
いよいよ壁塗りです。壁に土を塗るには、土台となる下地が必要です。我が家の場合、千葉産の真竹を割った小舞竹を通し貫に小舞縄で編搦んだ「小舞掻き」が、土壁の下地になります。小舞竹を柱間に隅々まで掻き廻らしているので、それだけでも構造的にしっかりしており耐震性も充分です。その小舞の上に荒壁を塗ります。 荒壁は岐阜産の良質粘性土に藁すさを入れ、よく練り合わせ、充分寝かせたものを塗り上げています。土壁の良さは、なんと言っても夏涼しく冬暖かいことでしょう。また、陶芸に使うようなきめの細かな土を塗り上げますので、吸湿・保湿効果による室内環境の清浄化にも、とても有効です。熟練の職人さんが一本一本小舞を掻いてる様子は、まさに「手作りで丹精込めて頂いてる」という感じです。家造りとは本来こういうものだったんだなと、改めて思います。
木を削り釘を打ち、多くの人の手を借りて、少しづつ形になっていく。そんな職人さんの気持ちのこもった家は、必然的に住む側としても愛着が沸きますし、大事にしていこうという気持ちもひとしおです。昔の家はこうして代々受け継がれてきたのです。まして資源を大切に使わなければならない今の時代、「古くなったら即建て替え」というような現代の家造りの在り方は、もう見直されるべきじゃないのかな。そんなことをつくづく実感する土壁工事です。