「保福寺本堂 上棟式」
10月10日、保福寺本堂の上棟式が執り行われました。この日は晴れの特異日ですので、1年ほど前に選定したのですが、一週間ほど前から天気予報では雨の予想でした。前日の設営やリハーサルも雨の中に行い「本番も雨だろうなと、自然が相手なので仕方ないな」と諦めていました。
そして、いよいよ当日の朝。雨は上がっていて欲しいなと思いながら、外を見ると、残念ながらやっぱり雨。今まで、いろんなセレモニーを行ってここまで進んで来たのですが、雨だったことは一度もなかったのです。しかし、「今回はダメですねー」などと話しながら最終確認など準備を進めていると、8時頃には雨がやみ、そして、式典が始まる頃には日まで射して来たのです。やはり、何やらご加護があるのでしょうか。
十時半に鐘楼の鐘が鳴り、いよいよ上棟式開始の合図です。建て主でもある導師の斎藤住職さんが入場し、法要が始まりました。清水総代さんの式辞、導師による啓白文奉読。そして、般若心経の読経と太鼓が響く中、お焼香を行い、法要の佳境を迎えました。法要の最後には、設計事務所の挨拶で、私が本堂新築工事のこれまでの経過と建物の特色について説明しました。
法要が終わると、今度は工匠式です。工匠式は本堂新築工事に携わってる工匠の「精根込めて造っている御本堂が末永く安泰であれ」との、切なる祈りの心を形に表したもので、古式に則って執り行われました。まず、曳綱の儀。2本の綱で棟木を棟まで曳き上げる儀式です。出席者の皆さんが綱を握り、三度掛け声に唱和して曳く所作をします。次に槌打の儀。曳綱の儀で上げられた棟木を、千代年も八百万年も永久に堅固であれとの祈りを込めて打ち固め、納めます。そして、最後に散銭散餅の儀。仏様に無事、棟の納まった事を感謝する儀式で、人々の最も大切な財の代表としてのお金と、食物の象徴としてのお餅を建物に捧げて(お供え)喜びと感謝の気持ちを表し、永久に建物をお守り下さるよう祈願します。
このようにして上棟式の儀式は終了し、施工者様のご挨拶、来賓の皆様方からご祝辞をいただいて閉式となりました。閉式後は参加してくださった檀信徒などの皆さんに餅撒きを行い、たくさんのお餅と記念銭を散らし、海鮮ちらしなどを振る舞って直会として、閉会しました。天気も、仏様のお力なのか、神がかり的に晴れ上がり、法要が行われてる頃には、本堂の上に虹がかかったとのこと!私たちは本堂の中で式典を行っていたので、残念ながら見ることは出来ませんでしたが、外にいた人達はそんな奇跡的な瞬間を目の当たりにしたようです。そして、出席してくださった方は700~800人もいらっしゃったようで、ほんとうにありがたいことだと思いました。皆さんに見守っていただきながら、後世に誇れるような本堂を造っていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。
工事もちょっと見た目にはあまりわかりませんが、日々少しずつ進捗しています。お近くの方は、散歩がてら様子を気にしていただけたら幸いです。